交通事故で起こるうる腱板損傷の後遺症について

交通事故は車が壊れてしまうだけでなく、乗っている人にも影響が出ます。怪我が大きければ手当や入院、手術の必要もありますし、場合によっては交通事故が原因によって負った怪我が後遺症として残ってしまう可能性もあります。

ここでは、そのうちの一つである腱板損傷について、詳しい症状や直し方、損害請求が可能かどうかをご紹介しています。

腱板損傷とは

肩の痛みの原因は様々なものがあります。単純な肩こりから病気の疾患の一つまで、その原因は様々です。腱板損傷はそのうちの一つで、肩の痛みの中でも特に重症なものです。痛みの程度は人にもよりますが、加齢からくるいわゆる四十肩、五十肩と勘違いする方も多いようです。

そこで詳しく調べてみたら腱板損傷だった、というケースも珍しくありません。

腱板損傷の改善には専門的な診断と治療、痛みの程度や症状の進行具合によっては手術が必要になってきます。腱板は、骨と筋肉がくっついている腱の一つで、肩の部分を腱板と呼びます。見た目は白っぽい筋のような形です。

筋肉を動かすためには筋が必要で、腱板は筋が集まり板のような見た目になっているので、腱板と呼ばれています。肩の筋肉の伸び縮み、スムーズに動かすために、腱板はなくてはならない部分の一つなのです。また、腱板は四つの部位に分かれます。

肩甲下筋腱、棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱の四つが集まり、腱板として肩を動かしているのです。腱板はインナーマッスルの筋の一種です。インナーマッスルとは、体の内側にある深い部分にある筋肉を指します。太く大きい筋肉で、強い力を発揮するために必要不可欠なものです。

筋トレにはインナーマッスルが欠かせません。また、日常生活においても、重い荷物を安全に運ぶためには、インナーマッスルを鍛える必要があります。インナーマッスルは関節を安定させる働きもあります。腱板は肩をスムーズに動かすと同時に、関節の働きを安定させる重要な役割を担っているのです。

特に肩は多方向に動く関節で、安定性が求められます。安定性に欠けてしまうと、脱臼など関節のトラブルが起こりやすくなってしまうのです。

交通事故で腱板損傷が起こるケース

交通事故で腱板損傷が起こるケースが、外部からの強い刺激です。他の車や障害物に当たった、もしくは当てられたとき、肩に大きな負荷がかかると腱板損傷を引き起こします。腱板は筋の集まりなので、重いものを持ち上げたときや肩を上にあげたときなど、日常生活でも損傷を起こす可能性がある部位です。

それが衝撃の大きい交通事故になると、損傷の可能性は一気に上がります。安全のためにシートベルトで体を固定しているのも、腱板損傷を引き起こす要因となります。シートベルトは肩の部分に当たることが多く、交通事故の衝撃で意図せず強く押さえつけられることで、筋が切れて腱板が切れてしまいます。

このように、交通事故で腱板損傷が起こるケースは珍しくありません。

腱板損傷の症状

腱板損傷の症状としては痛みが代表的です。しかし、痛みの程度は個人差がありますが、場合によっては気付かないというケースもあります。というのも、腱板はいつの間にか切れていることが多い部分で、強烈な痛みは瞬間的なもので、これを加齢によるものや肩こりといった他の症状と勘違いしてしまうケースが多いのです。

また、腱板損傷を起こしても症状は軽微で、問題なく肩を動かせる場合も多いです。これは、腱板を構成する四つの腱が理由です。腱板損傷といっても四つの腱が全て切れてしまうというわけではなく、一部の腱が切れるだけでは動かすのに大きな問題はありません。

また、四つすべての腱が切れてしまっても、周りの筋肉の力だけで動かすことは可能です。

ただしこの場合、筋肉に大きな負担がかかります。ただし、腱板損傷の全てが軽い症状で終わるものではありません。腱板部分を激しく損傷してしまう、腱が大きく切れてしまった、損傷部位に強い炎症が起こった場合、肩が上がらなくなり日常生活に支障をきたす恐れもあります。

自分では肩を上げたつもりでも、実際は少しだけ肩が浮くだけ、という重篤な症状になることもあります。特に交通事故が原因の場合、人体にかかる負担はかなり大きくなります。重篤な腱板損傷になるケースも珍しくないのです。

腱板損傷の改善方法

腱板損傷の治療は症状の程度により異なります。腱板損傷が部分的なもので、更にごく一部の小さな損傷のみであれば、保存療法という形が取れます。保存療法とは飲み薬や塗り薬、注射や手術など、具体的な治療を行わず部位をそれ以上酷くならないように保存しておくという療法です。

ただし、保存療法で腱板損傷が改善できる可能性は少ないです。まず、保存療法が取れるケースがかなり限られていますし、時間経過と共に損傷が酷くなる可能性があるためです。腱板損傷の治療は、薬物療法とリハビリが中心となります。

薬物療法は切れてしまった腱板をくっ付けるものではなく、痛みを抑えることを目的として行われます。薬で切れてしまった腱板をくっ付けることは、現在の医学では不可能です。このため、薬の使用は対処療法となります。

腱板損傷が酷い場合、痛みで日常生活に支障をきたすこともあるので、薬物療法は生活を助ける大きなサポートとなります。医師に指示された内容で、用法容量を守り適切な方法で薬を飲みましょう。腱板損傷のリハビリは、腱板と周辺の筋肉を衰えさせないように行います。

痛みが酷くそのまま放置しておくと、腱板と周辺筋肉が萎縮してしまい、更に肩が動かせなくなってしまうためです。ただし、リハビリは腱板損傷部分に負担をかけるものです。場合によっては損傷を酷くしてしまう恐れもあります。

リハビリを行う場合は理学療法士の指示に従い、無理のない範囲で行うようにしましょう。

腱板損傷と後遺症

腱板損傷は、前述の通り自然とくっつくものではなく、薬も開発されていません。

このため、一度腱板損傷を起こすと、後遺症が出る可能性は高いです。ただ、後遺症の出方には個人差があります。人によっては痛みや動きに問題もなく、依然と同じように肩を動かせる場合もあります。

一方で、痛みが酷く肩も思うよう動かせず、日常生活に支障をきたす場合もあります。痛みが酷い場合は手術を行い、腱板を骨にくっ付けるという方法がありますが、手術には費用や日数など、大きな負担がかかります。医師と相談しながら自分に最適な方法を選びましょう。