思わぬ交通事故の後遺症でおこったしびれ

皆さんは交通事故を経験されたことはありますか?と言っても、日常生活を普通に送っている方が一生のうちに交通事故に合う確率は35%程度ということもあり、経験されたことがない人のほうが圧倒的に多いと思います。

わたしも実際、交通事故に自分が遭うなんて思っても見ませんでした。まして後遺症まで経験することになるとは。

ふとした気の緩みから

その日は、仕事がかさばり、帰宅が遅くなりました。周りは暗く、疲れていることもあり注意力も下がっていたと思います。通いなれたはずの道を車で走らせ、いつもの見慣れた車外の風景にふと目をやった次の瞬間事故は起こりました。

前方の車が急ブレーキをしたことを見逃してしまったのです。いつもなら回避できたはずの事故でした。すぐに、車外に出て、警察署に連絡をし、追突した運転手の安否を確認したあと、保険の話などしながら警察官が来るのを待ちました。

その時は、走ったり立ち話をしたりしても平気で「たいした事故じゃなくてよかったですね」などと談笑して過ごすことができました。程なく警察官が到着し、事故についての聞き取りや保険の手配など話し合いを済ませ、帰宅しました。

帰宅後は、いつもどおり過ごし、特段体の変化を感じることはありませんでしたが、妻からは念の為病院へ行くことを勧められていました。しかし、そんな妻の言葉をわたしは「大丈夫」の一言で返し、気にすることもありませんでした。

翌日、体にしびれが

朝目覚めると、右手に違和感を覚えました。首のあたりにも痛みがあり、一瞬事故による症状かとも思いましたが、ただの寝違いだろうと気にしないようにしました。朝食の最中も違和感は増すばかりで、その日は朝食もすべて取ることはできませんでした。

「きっとしばらくすれば良くなるだろう。」そんなことを思いながら出勤しました。今思えば、そんなふうに自分に言い聞かせていたのかもしれません。仕事をし始めてからは、あまり気になることもなく集中して作業に取り組むことができました。

「やはり気のせいか」そう思いながら、気がつくと終業の時間を迎えていました。車に乗り込み、キーを回そうとしたその時、右手に激しいしびれを感じました。感覚がほとんどなく、キーを回すことも困難なほど力が入りませんでした。

同時に首の痛みも増し、脂汗が止まりませんでした。帰宅する頃にはシャツはびっしょりと濡れていて、意識も朦朧としていました。すぐにシャワーを浴び、夕食もそこそこに床につき就寝しました。しかし、しびれは増していく一方でした。

手を握っても感覚がない

その日の朝の目覚めはこれまでになく最悪でした。首の痛みはひどく、右手は握っていることさえも感じることができないほどしびれていました。2日前、妻に言われた言葉が頭をよぎりました。「これはきちんと診てもらったほうがいい。

」わたしは、その日の仕事を休み、病院へ行くことにしました。車を運転することも怖かったので、公共交通を使い、近くの総合病院まで行きました。診察受付で書類にサインをすることもやっとで、わずかな文字を書くのにも時間がかかりました。

待っている間も痛みやしびれが増し、気分も悪くなってきました。「もしかしたら、重症だったのか?」そんなことが頭をよぎり、余計に不安になりました。しばらくして診察室へ呼ばれ、診察を受けたあと、レントゲンやCTなどいくつかの検査をしてもらいました。

結果的に「むちうち」という診断がくだされました。痛み止めや湿布を処方してもらい、帰宅しました。

暫くの間はしびれが

それから数週間、首の痛みとしびれは続きました。先程も触れたように、字を書くことに時間がかかることはもちろん、車の運転や食事、仕事上の作業、パソコンのタイピングなど、日常生活のあらゆる場面で支障をきたすことになりました。

仕事も思うように進まず、普段の何倍も疲れました。家に帰る頃にはぐったりで、何もする気になれませんでした。おまけにしびれがあるので、常に違和感と闘いながら過ごすことを余儀なくされ、精神的にも参ってしまいました。

少しでも早く治すことができるよう、リハビリやマッサージにも通いました。その甲斐もあって、少しずつ回復していることは実感できましたが、完全に回復とまではなかなかいきませんでした。「どうしてこんなことに。早く病院を受診していればこんなことにならなかったんだろうか。

」そんなことばかり考えていました。とにかく一日でも早くこの苦しみから逃れたいと強く願っていました。

回復した今でも

ようやく首の痛み、しびれもなくなり、日常生活を元通り過ごせるようになりました。後で知ったことですが、むちうちでも重症化すると後遺症として一生このような状態が続くらしく、中にはもっと吐き気や体中の痛みなど、様々な症状で苦しむこともあるということでした。

わたしは、軽いほうでよかったなと改めて感じていました。しかし、ふとした瞬間や疲れがたまったときなどに、首の痛みやしびれが起こることがあるので、もしかするとこれも後遺症なのかもしれません。今でも首の痛みやしびれが起こると、やはり普段できていることができなくなることもあり、それによって仕事や家庭の事情など左右されてしまうことは辛いです。

「あのとき、事故を起こしていなければ。」悔いても仕方ないとわかっていても、そのような状況では、やはり考えてしまいます。もしかしたら、事故の後遺症かもしれませんが、むちうちで起こる症状は、後遺症に認定されにくいという実情もあり、症状が収まるのを待つか、そのたびに病院へ通うしかないというのもまた辛いと思う原因になっています。

それでも、家族の支えや会社の理解もあり、前向きに生活できていることには感謝しかありません。

交通事故を起こす以前に戻ることはできませんが、周りの人に支えられて今を精一杯生きていくことの大切さが、今を幸せに生きていく原動力になっています。人の一生の中で事故に遭う確率は35%程度。その僅かな確率のために、自分の安定した生活に支障がでていることは悔やんでも悔やみきれません。

しかし、こうなってしまった以上、上手に付き合いながら生きていくつもりです。皆さんも交通事故に遭うことのないよう、十分に気をつけてお過ごしください。